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愛してる、なんて。
映画やドラマではよく見る台詞よく聞く台詞。
その中では素敵な響きで世界を構築しているというのに、不思議だね。



「愛してるよ」
「…………………」


実際に口にすると、目の前の人の顔が盛大に歪んだ。
この上なく、とてつもなく、限りなく、強烈に、心底。
嫌そうな顔をした。


「……何か言ってよ」
「キモチワルイ」
「他に言う事あると思うけど」
「キショクワルイ」
「同じだよ」


溜息を吐いて、それ以上の言葉を引き出すのは諦める。
元々無理だったと言えば無理だった。
そう。そういえば目の前の人物はそういう奴だった。
会話は終わりと言うように視線を逸らしたというのに、目の前の人物は鳥肌を解消したいと言うように両腕をさすりながら胡乱な瞳でたずねて来る。


「いきなり何」
「何が」
「何を理由に、いきなり人に愛を説き始めたの」
「言ってみようかと思っただけだけど?」
「あー、そう」


じゃあもう1つ聞いてもいいかな。


「君の年齢はいくつだ」
「16だね。お互いに」
「だよね。そうだよね」





16のヒヨッコが「愛」を説くなんてばかげてると思わない?






真顔で、それはもうここ最近見た事がない位真剣な顔。
少しだけ眉間に皺が寄っているのは、多分さっきの「愛してる」っていう台詞がよほど嫌だった名残だろう。


「キモチワルイんだよね、この年で愛してるって言われるの。すごく薄っぺらく思える。分不相応っていうか、ただの見栄っ張りというか…とにかく似合わない」
「年齢で恋愛はしない主義じゃないの?」
「それでもその年齢に見合った言い回しって大事だと思わない?」
「まあ、ね」
「とにかく『愛してる』って言われるのは好きじゃない。もうちょっと色んな事を経験したら別かもしれないけどね」
「そう」
「うん」


じゃあ、さ。


「好きだよ」




……って、言ったらなんて答えてくれる?







「知ってるよ」


嬉しそうに、照れくさそうに頷く君から目が離せなかった。

***************


「愛してる」と言える時がきたら、また君は笑って頷いてくれるかな?
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