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あなたは、恋人をなんと呼ぶだろうか。
名前? それとも愛称?

ならば、その相手と結婚した後は、なんと呼ぶのだろうか。
名前? 愛称? それとも…………。












「奥さん。おーくさーん?」


台所で紅茶の準備をしていた陽菜の耳に、葉流の声が届く。


「どうかした? だんなさま」
「僕がココに置いておいた雑誌知らない?」
「…捨てたかも」
「ゑ」
「もう読み終わっちゃったのかなー、とか思って」


てへ、と語尾にハートマークをつけつつ、陽菜が軽く首を傾げながらお茶目感を滲ませて言うと、葉流はピシリと凍りついた。


「…奥さーん…まだそれ読んでなかったんだけどぉ…?」
「…ご、ごめん……」
「ま、いいけどさ。置きっぱなしにしといた僕も悪いんだし…」
「お、お詫びにだんなさまの好きな紅茶とお菓子用意するから、ね?」


がっくりとうな垂れた葉流を慰めようと、陽菜はことさら大きな声で話しながら、葉流の背中を押してキッチンへと向かう。
いまだしょんぼりしてるような葉流を何とか椅子に座らせ、陽菜は袖を捲りながら用意しておいたインスタントの紅茶パックをしまい、戸棚の奥に大切にしまいこんでいた紅茶缶を出す。
適温のお湯を紅茶ポットに注ぎ、適した時間だけ蒸らしてから、温めておいたカップにそっと注ぐ。
ふわりと漂う紅茶の香りに、葉流は気分が上昇気流に乗ったのか少しだけ笑みを見せた。


「はい、だんなさま」
「ありがと奥さん」


葉流の前に淹れたての紅茶をおき、近くには手作りのマドレーヌも添える。
もちろん自分の分の紅茶とマドレーヌも準備して、葉流の前である自分の定位置に座った。


「………ん。美味しい。さすが奥さん」
「ふふふー。まぁね」
「マドレーヌも美味しいよ」
「良かった」


こくんと紅茶を1口。
ぱくりとマドレーヌも1口。
幸せそうに笑ってくれる葉流に、陽菜もまた嬉しそうに笑う。


「ねぇねぇ、だんなさま」
「ん?」
「後で本屋さん行こ?」
「何で?」
「捨てちゃった本の代わりに何か買いに行かないかな、って」
「……そうだね、行こうか」
「うん。じゃあ決まり!」


顔を見合わせてにこりと笑って、約束の指きりも交わす。


「約束だよ、奥さん」
「約束ね、だんなさま」


ついでとばかりに、約束のキスも交わした。












あなたは、自分の伴侶をなんと呼ぶだろうか。

名前? 愛称? パパやママ? お父さんやお母さん?

それとも……


「ねぇ、奥さん」
「なぁに? だんなさま」

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可愛いと思うの…「奥さん」「旦那さん」っていう呼び方…(笑)。
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