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続いたりしないって知ってるけど、続いていくんだって思いたくて隣を歩くやつの手を握った。
驚いたような顔をしたけど、すぐに笑って握り返した。
その手が暖かくて柔らかくて優しくて泣きそうになって誤魔化したくて顔を背けた。


「こうやってずっと生きていけたらいいね」


寂しいのか。
悲しいのか。
それとも全くそうとは思ってないのか。
よくわからない声音で呟かれた言葉はそれでも胸を抉るように響く。
ひくりと喉が動くけれど言葉はでない。
代わりに握っている手の甲を指先でくすぐった。


「くすぐったいね」


それはくすぐった手の甲なのか。
この空気なのか。
それともこれからの人生を思ったからなのか。
何だかよくわからないけれどとりあえず頭を撫でた。


「こうやって生きていくさ、くすぐったいのだってその1つだろ」


俺と
お前と
まだ見ぬ、形を為し始めたばかりの存在と
もしかしたらこれから形を為すかもしれない存在と


「うん、そうだね」


ゆるりとおなかを撫でる手は、とても優しい。
見つめる視線は、とても温かい。
薬指に収まっている銀色の細い金属の輪っかがきらりと光った気がした。


「こうやって、いきたいね」


これからの道を行きたいね。
これからの人生を生きたいね。
こうやって穏やかに逝きたいね。


「……ああ」


柔らかで温かで優しい手を握る俺の手は、きっと硬くて骨ばっててけれど優しい手だと思ってくれているのだろうなんて、少しだけ自惚れてみた。

**********
【BGM:永遠に(Song byアフロマニア)】


まだ見ぬ子どもへ
母親となる君へ
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