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・この日記ではオリジナルのSSや、時折二次創作のSSが書き連ねてあります。苦手な方・興味のない方は見なかった事にしてご退場下さい。
・二次創作物(特定ジャンルなしにつき、その都度要確認)は、出版社・原作者とは一切関係がございません。また、各公式サイトへの同じ窓で移動は厳禁ですのでどうぞご了承下さい。
・この日記に存在する全てのSSはイチエのものであり、転載・複製は禁止です。
・リンク等につきましては、お手数ですが一度メール(ichie_1516@hotmail.com @→@)にてご連絡下さい。
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写メした画像を随時更新。限りなく不定期。 カーソルを記事に合わせると日記の文章が表示されます(クリックすると日記のページに飛べます)。
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2006.05.29 Mon 09:55:53
つきつけられた銃口は震えていて
引き金にかけられた白い指は血が通っていないかのようで
きっと触れれば冷たいのだろうと他人事のように思う
今にも泣き出しそうに歪んでいる相手は、自分と同じ顔。
俗に言う双子として育った僕ら
考え方も好みも見た目も何もかもがそっくりの僕ら
なのに、僕が「抗う」事を知ってから道は分かれた。
従う兄
抗った僕
諦めた兄と諦めきれない僕の違いはどこから生まれたんだろう、なんて。
そんなのもう考える事も思い出そうとする事もなくなって久しくて
ただ僕は兄から、自分を取り巻いた全ての鎖を断ち切った。
それだけ。
そして兄に見つかり、銃口を突きつけられている。
ただそれだけ。
「殺さないの?」
「……」
「殺せって言われたんでしょう?」
動かない兄の指。
なのに瞳だけはゆらゆらと陽炎のように揺れていた。
「もう満足した。抗える事を知った。ちょっと……兄さんに見つかってしくじっちゃったけどさ。兄さんがいなかったら僕は絶対に逃げ出せたよ」
あぁ、でも誤解しないで
「兄さんがいなきゃ良かったなんて1度も思った事ない。今だってそうだよ。僕を見つけたのが兄さんで良かった。兄さん以外に見つかる位なら自分で死ぬ方がマシ」
だから。
「いいよ。僕は抗った。指し示された道とは違う道を、僕は少しだけだけど歩けたんだ。だからもういい」
用意された道とは違う道は苦しくて辛くて痛くて。
でも楽しかった。
とても、とても。
「兄さんは従う人だった。僕は抗う人だった。ただ…それだけだよ」
にこりと笑えば、同じ顔をした兄の顔が一層歪んだ。
できれば笑って欲しいな、なんて思ったけれどその分自分が笑えばいい。
「サヨナラ、兄さん」
木霊する銃声。
同じ顔と同じ体躯をした存在が、少しでも苦しまないようにと銃弾は急所を貫いた。
最後の最後まで笑っていた弟の崩れ落ちていく身体が、次第にぼやけていく。
泣いているのだと気付いたのは、耳に残り続ける銃声が消える頃だった。
******************************
【BGM:Southern Cross(Song by403)】
引き金にかけられた白い指は血が通っていないかのようで
きっと触れれば冷たいのだろうと他人事のように思う
今にも泣き出しそうに歪んでいる相手は、自分と同じ顔。
俗に言う双子として育った僕ら
考え方も好みも見た目も何もかもがそっくりの僕ら
なのに、僕が「抗う」事を知ってから道は分かれた。
従う兄
抗った僕
諦めた兄と諦めきれない僕の違いはどこから生まれたんだろう、なんて。
そんなのもう考える事も思い出そうとする事もなくなって久しくて
ただ僕は兄から、自分を取り巻いた全ての鎖を断ち切った。
それだけ。
そして兄に見つかり、銃口を突きつけられている。
ただそれだけ。
「殺さないの?」
「……」
「殺せって言われたんでしょう?」
動かない兄の指。
なのに瞳だけはゆらゆらと陽炎のように揺れていた。
「もう満足した。抗える事を知った。ちょっと……兄さんに見つかってしくじっちゃったけどさ。兄さんがいなかったら僕は絶対に逃げ出せたよ」
あぁ、でも誤解しないで
「兄さんがいなきゃ良かったなんて1度も思った事ない。今だってそうだよ。僕を見つけたのが兄さんで良かった。兄さん以外に見つかる位なら自分で死ぬ方がマシ」
だから。
「いいよ。僕は抗った。指し示された道とは違う道を、僕は少しだけだけど歩けたんだ。だからもういい」
用意された道とは違う道は苦しくて辛くて痛くて。
でも楽しかった。
とても、とても。
「兄さんは従う人だった。僕は抗う人だった。ただ…それだけだよ」
にこりと笑えば、同じ顔をした兄の顔が一層歪んだ。
できれば笑って欲しいな、なんて思ったけれどその分自分が笑えばいい。
「サヨナラ、兄さん」
木霊する銃声。
同じ顔と同じ体躯をした存在が、少しでも苦しまないようにと銃弾は急所を貫いた。
最後の最後まで笑っていた弟の崩れ落ちていく身体が、次第にぼやけていく。
泣いているのだと気付いたのは、耳に残り続ける銃声が消える頃だった。
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【BGM:Southern Cross(Song by403)】
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